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ある夏の日。
とある男のほんの少しの後悔と、ほんの少しの満足感。
「枯れないでしょ」男は後輩の持っている鉢植えの花を見ながら言った。
ある夏の日、自宅のベランダ。煙草をふかしながら、もうすぐ日本を発ってしまうあの人へ、男は携帯メールを打っていた。
その花は、お別れの記念にその人からもらったものだった。
「どうして花なんですかね？こんなのすぐ枯れるのに…」
男は一度送ろうとしたメールを削除すると、後輩から鉢植えを奪い取り、外へと出て行く。
枯れさせたくない想いと、直接伝えたい言葉。男はまだ「さよなら」も言えていない。そんな彼のところへ突然の電話が鳴る。
「早く来て下さい！今日が出発の日です！」
想いを胸に、男は空港へと自転車を走らせ始めた。 |
▽キャスト
■天瀬友孝／矢川将義／岡田裕也
▽スタッフ
■監督・脚本・編集：片元 亮
■制作：押川雅也
■助監督：梶田智之
■撮影：小澤勇佑
■照明：杉浦 圭
■美術：Decchi-s
■音楽：YOUMAT・楠本隆司
■エンディングテーマ：金川武史
■企画・製作：On's ｄeskworks |
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 ■片元 亮（かたもと・りょう）
□1977年生まれ、山口県出身 |
この映画には、ほとんどたった一人の登場人物しか出てきません。大切なあの人へ、ただ一人で想い、悩み、行動していきます。
しかしあの人はこの物語の中には出てきません。どんな関係なのかはもちろん、同性なのか異性なのかも漠然と描いています。それでもこの映画は1つの「さよなら」の形を提示します。
この映画を観て、みなさんは誰を思い浮かべたでしょうか？それぞれのさよならを、いつのまにか、想い、重ねてもらえたら嬉しく思います。 |
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